【マウスピース矯正は本当に痛い?】その理由と対策を徹底解説
投稿日:2025年9月10日
カテゴリ:スタッフブログ
はじめに:矯正治療と「痛み」のイメージ
歯並びを整えたいと考えたとき、多くの方が不安に感じるのが「矯正の痛み」です。ワイヤー矯正の経験談を聞いたことがある人は、「強い痛みで食事もつらかった」という声を耳にしたことがあるかもしれません。
一方で、近年注目を集めているのが マウスピース矯正(インビザラインなど) です。「透明で目立たない」「取り外せる」というメリットに加え、「痛みが少ない」とも言われています。しかし、果たして本当に痛みはないのでしょうか?
本記事では、マウスピース矯正の痛みの実態・なぜ痛みが出るのか・痛みを和らげる方法 を、歯科医療の専門知識と実際のデータを交えて徹底解説します。
1.マウスピース矯正で痛みが出るのは本当?
結論から言えば、マウスピース矯正でも痛みはあります。ただし、ワイヤー矯正と比べて痛みが軽度であることが多く、「我慢できない痛み」になるケースは少ないとされています。
実際に、日本矯正歯科学会の調査によると、マウスピース矯正を受けた患者の約7割が「装着初期に違和感や軽い痛みを感じた」と答えていますが、その多くは数日以内に慣れることが報告されています。
2.マウスピース矯正で痛みが出る理由
では、なぜマウスピース矯正で痛みを感じるのでしょうか?主な理由は次の通りです。
(1)歯が動くときの生理的反応
矯正治療は、歯に力をかけて少しずつ動かす治療です。歯が動くとき、歯根膜(歯と骨の間にある組織)が圧迫されたり伸ばされたりします。その刺激が「鈍い痛み」として感じられるのです。
(2)新しいマウスピースに交換したとき
マウスピース矯正は、1〜2週間ごとに新しいアライナー(マウスピース)に交換します。交換直後は「歯を押される感じ」が強く、痛みを感じやすくなります。
(3)アタッチメントや突起部分の違和感
マウスピースをしっかり歯にフィットさせるため、歯に小さなアタッチメント(白い樹脂の突起)を装着することがあります。これが舌や頬に当たって違和感や軽い痛みを引き起こす場合があります。
(4)食いしばりや歯ぎしり
矯正中は無意識に歯を食いしばったり、マウスピースを強く噛みしめてしまう人もいます。これが筋肉の疲労や痛みにつながることもあります。
3.ワイヤー矯正との痛みの違い
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マウスピース矯正:段階的に弱い力をかけるため、痛みが比較的軽度。違和感は数日で慣れるケースが多い。
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ワイヤー矯正:調整直後に強い痛みが出やすく、食事がつらいことも。
つまり、**痛みの強さは「マウスピース < ワイヤー」**と考えてよいでしょう。
4.痛みを和らげる方法と対策
マウスピース矯正中の痛みは、工夫次第で軽減できます。
(1)新しいマウスピースは夜に装着
新しいアライナーをつけるときは、就寝前に交換すると◎。眠っている間に慣れるため、日中の不快感が少なくなります。
(2)痛み止めの服用
どうしても痛みが強いときは、市販の鎮痛剤(例:イブプロフェン、アセトアミノフェン)で対処可能。ただし、常用は避け、必要に応じて使いましょう。
(3)噛み合わせを整える「チューイー」の活用
マウスピースがしっかりはまっていないと余計な痛みが出ることがあります。チューイー(矯正用のシリコン製の棒)を噛むことで、装置がフィットし、違和感が減少します。
(4)冷たい水で口をゆすぐ
冷却作用により、一時的に痛みが和らぎます。
(5)歯科医院への相談
痛みが長引く場合や、装置の不具合を感じた場合はすぐに主治医へ相談を。アタッチメントの調整やマウスピースの再作成が必要なケースもあります。
5.痛みを前向きにとらえる
実は、矯正治療で感じる痛みにはポジティブな意味もあります。
歯が動いている証拠であり、**「治療が確実に進んでいるサイン」**でもあるのです。ほとんどの場合、数日で和らぎ、慣れてしまえば気にならなくなる程度です。
6.マウスピース矯正を始める前に知っておきたいこと
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痛みゼロではないが、日常生活を妨げるほどではないことが多い
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慣れるまでの数日間が一番つらい
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正しい装着方法とケアで痛みは最小限にできる
まとめ:痛みはあるが、工夫でコントロールできる
マウスピース矯正は「痛みがまったくない治療」ではありません。しかし、ワイヤー矯正と比べて痛みは軽度で、適切な対策を取れば大きな支障なく続けられるケースがほとんどです。
もし「痛みが怖いから矯正を迷っている」という方は、まずは矯正専門医に相談してみることをおすすめします。事前にリスクや対策を知っておくことで、不安を解消し、安心して治療を始めることができるでしょう。
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